目の症状:肝と腎 ①肝血虚タイプ
「目がチカチカするのですが…症状をネットで検索すると「光視症」のようです(>_<)」
という愁訴で来院された方がいらっしゃいました。
【光視症】発光体や光源がないのに、視界の中央や端、いたるところに一瞬光が飛び込んできたり、キラキラ、チカチカした光を感じる症状。
眼球の“網膜”と“硝子体”の「癒着(と引っ張り)」が原因と言われます。気になる方は、眼科で網膜の状態を調べる検査を受ける事をお勧めします。
スマホ・タブレット・パソコンでの検索、メール、ゲーム、更にテレビの視聴も含めると、「画面」を見ている時間は、一日平均かなりの時間になるのでは。ええ、私もそのようです。
目の奥が痛い、目がかすむ、チカチカする等、眼精疲労の症状は様々ですが、東洋医学的には目だけのことでなく全身的な失調の「一つの症状の表れ」としてとらえます。
東洋医学では、「肝は目に開竅する(穴を開く)」と言い、肝の「血」が不足すると、「視力の低下」「眼精疲労」等の症状がおきます。※この“肝”は現代医学で指すところの“肝臓”ではないので、「ええ~肝臓が悪いと目が悪くなるの?!」とはそのまま考えないで下さいませ。
例えば深刻な脳の疾患が原因ではなく、
・ストレスや目の酷使
・心身の疲労
・老化など
による眼精疲労には、鍼灸治療も効果的です。症状はここでは主に2タイプに分けてみます。
①「肝血虚(かんけっきょ)」タイプ:目の機能を高めるために必要な血液が不足
②「肝腎陰虚(かんじんいんきょ)」タイプ:肝と腎の機能が低下して、体に必要な体液が不足
【肝血虚タイプ】~現代型栄養失調~
胃腸が弱い、疲れやすく虚弱などの体質の方。
ストレス、心身の疲労が多い方。
食生活の乱れが気になる方、ダイエットの経験がある方。
“肝”の機能が衰えて“血”が不足したタイプです。偏食や欠食などで、栄養のバランスが崩れた「現代型栄養失調」と言われる若い人にも多く見られます。若い方でも「スマホ老眼」が起こるゆえんです。
★“肝”の“血”が少ないことで起こる症状(舌の色と形は白っぽく薄い)
目のかすみ・乾燥
顔色が悪く貧血ぎみ
胃腸が弱い
肌のかさつき
下痢
経血量が少ない
めまい
手足のしびれ
筋肉の痙攣や引きつれなど
★改善策
“血”を補い“肝”の機能を高める「補血(ほけつ)」、血の不足によって停滞した気(エネルギー)のめぐりも良くする「補気(ほき)」の食材や漢方もオススメです。
また、胃腸が弱くて栄養分を消化吸収しにくい場合は、気を補い、胃腸機能を高めるのも重要です。
*代表方剤:四物湯、人参栄養湯、十全大補湯、帰脾湯など
★薬膳ポイント
ほうれん草、にんじん、ぶどう(レーズン)、くるみ、松の実、動物のレバー、赤身の肉
*「黒や赤の食材」と覚えて下さい。
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②「肝腎陰虚(かんじんいんきょ)」タイプについてはまた次回!
旧blog・2017/3/30 より一部改定