目の症状:肝と腎 ②肝腎陰虚タイプ

「目がチカチカする」…という症状の場合、前回は「光視症かな?」でしたが、チカチカ症状にはもうひとつ、「閃輝暗点(せんきあんてん)かな?」もあります。

「目がチカチカする」…という症状の場合、前回は「光視症かな?」でしたが、チカチカ症状にはもうひとつ「閃輝暗点(せんきあんてん)かな?」もあります。

【閃輝暗点】突然目の前にイナズマのようなギザギザした光が見え、視界の一部が光で見えにくくなる。視界の中心あたりから始まり次第に周囲に広がるが、15分ほどで治まる。その後片頭痛が起こることもある。

原因は、大脳の中で視覚を司っている「視中枢」で、発作的に一時的な血流の減少が起こるためだと言われています。
最初は視野の中央、小さな範囲から始まりだんだん周囲へ広がっていきます。15分~30分ほどで治まります。
閃輝暗点の消えた後に、「偏頭痛」が起こることもあります。
中年以降に閃輝暗点がおこった場合は、まれに脳の病気のこともあるので、脳内の精密検査・MRI等を勧められることもあります。

上記のような検査で診断がつくような深刻な脳の疾患が原因ではない場合には、鍼灸治療も一つの手です。東洋医学では、目の症状を目だけのことでなく、全身的な失調の一つの症状の表れ、としてとらえます。

【肝腎陰虚タイプ】の場合。肝と腎の陰“体液”が消耗。
体液が不足して、体内の陰と陽のバランスが崩れて陽が勝った状態。特に中高年者に多く見られるのが特徴です。
舌の色:赤みが強く、苔は少ない。
・目の痛みや疲れ、目の充血やかゆみ、視力低下
・めまい
・手足のほてり
・口の渇き
・のぼせ
・足腰のだるさ
・寝汗、不眠
なども伴うことが多いです。

●改善方法
・ゆったりリラックスする時間を持つ
・夜は失われた「陰」を補充する時間です。ゆっくり休むように早寝を心がけます。
・余分な熱を冷ますセロリやトマト、フルーツなどを適度にとり、陰を補充する山芋、黒ゴマ、黒豆などを積極的に摂ります。

漢方薬では、目の充血やのぼせ、ほてりなどを緩和する清熱解毒作用、低下した肝と腎の機能を高める、「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」など。体質に応じた漢方の処方に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。
ハーブティーなら、体にこもった熱をさます働きのある“菊花茶”がおすすめです。

旧blog・2017/04/27 より一部改定