静脈血栓塞栓症

2016年4月14日に熊本で大きな地震が起こりました。地震後「特に今回は発症のペースが早いのでは?」と言われていたいわゆる“エコノミークラス症候群”=旅行者血栓症(急性肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症)について、過去のblogより-2016/4/29投稿-

未だ日に何度も相次ぐ地震により、熊本地方を中心に不安で不自由な生活をされている方々には、心よりお見舞い申し上げます。少しでも早く、心落ち着く日常が戻ってくる事をお祈りするばかりです。

いわゆる“エコノミークラス症候群”【発生率を高めてしまうポイント】

・空調がよく効いていて乾燥している環境
・長時間の同じ姿勢で座っている
・水分摂取が少ない

ん?オフィスワークにも似ている?出張中の時もこんな感じ?と思われた方もいらっしゃる事でしょう。

先日当院に来られた方は、金融関係のお仕事をバリバリされている方。毎日の勤務状況は、

〇出社
朝始業より早めに出社して(残業したくないので出社を早めている)
お昼まで三台のパソコンを使用し、座ったままで作業。

〇ランチタイム
食後は、早く戻って仕事を片付けたいので、ランチはささっと食べられるものを摂る。
基本外食なので、揚げ物が多くなっちゃう…

〇午後
またまた三台のパソコンを凝視しつつ、夜8時までほぼ座ったままで作業。

・・・まるでエコノミ―クラスで欧州へフライト中の機内、と同じような状況ではないですか(+_+)

血栓ができる確率は、下肢の静脈が90%。フライト中でなくても、夜行列車旅でなくても、オフィスワークでもどうぞご注意ください。

血液の粘度が増す原因として、
・赤血球の濃度が濃い→血管内の水分が足りないと赤血球の濃度があがる
・血液中のコレステロール値上昇

予防法として、
・禁煙…タバコは血管中に炎症を引き起こし、その免疫応対により血液の粘り気がUP
・水分の摂取…水分不足による血液濃度の上昇を避ける
・運動…静脈の流れの滞り解消、血液中のコレステロールを減らす
・ストレス解消…ストレスホルモン=心拍数UP、筋の緊張UP、交感神経の刺激が血圧を上昇させる
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「ストレスがたまっているな~」と感じている状態では、ストレスホルモンの分泌が盛んになっており、
心拍数UP、筋緊張UP、交感神経の刺激UP、となります。

交感神経が活発!ということは、分かりやすく例えますと「戦闘態勢準備OK!」状態。
・体は緊張し、心臓はドキドキ、血圧上昇。活発に動けるような態勢に。
・相手をよく見るために瞳孔拡大して目はランラン。
・少しくらい切られても、血が出過ぎないように血管収縮

座っていることが多いのに、足がだるいorz
という場合は、大きな関節をしっかり動かすようにしてみてください。のばしてー、まげてー。
骨と骨をつなぐ関節部分を動かすと、その部分の筋肉が伸び縮みし、ポンプの役割をして静脈を心臓に返してくれます。血栓予防には、こまめに動かす事が大切です!

旧blog・2016/04/29 より一部改定